ブラックスウェードVチップ

待望のSUEDEアルゴンキン!

NATORIYA×ALDENのダブルネーム仕様Vチップ。カーフやコードバンに比べて展開数の少ないスウェード素材は、結果的にその個体数も少なく、なかなかお目にかかることのできないモデルです。それ故に以前から欲しいなぁと恋焦がれ続けたVでした。

Vチップが出だした当時、思い切って買った人たちから「凄い靴だった!」という口コミとともに人気が広まり、特にコードバンレザーの登場とともに火が着きました。あれから何十年とトップの座に君臨し続けているって凄い。最初にオールデンを買うなら「Vチップ」って言われるくらい神格化したフェイスモデル。過去いろんな素材で作りましたが、スウェードの展開数は意外と少なく、なんならコードバンよりも入手困難。欲しい! いま無いのなら作ってもらおう! となったのです。

各部をインプレッョン

出来上がったVチップは大人の雰囲気。起毛素材ならではの吸い込まれるようなマットな質感。リフレクションのないVチップ。明と暗、光と影、太陽と月。そんな関係を連想させます。周囲の全ての光を飲み込みます。毛足は短すぎず長すぎずのカーフスウェードを採用。黒スウェードは、埃が目立ちやすいので、スウェードブラシを用意しておくことをお勧めします。特にハンドル付きなら出先でもササっとホコリ払えます。

インソックはダブルネーム仕様。NAOETSU (直江津)という地名をつけてあります。その下にU.S.A製の刻印も。本国の人も「NAOETSUってなに?どこ?」ってなったことでしょう。

本底は、シングルレザーソールの出し縫い。これをブラックフィニッシュ塗装してあります。

秀逸なモディファイドラスト

やはり注目して欲しいのは、ここ。土踏まず部分が独特な形状にえぐれています。自然な形に足が収まる設計で、長時間履いていても疲れにくい要因の一端がここに隠されています。外見からはすぐに気がつかない部分ですが、履くとその違いは明白です。こういったスタイルの靴は、あまり見かけることがありません。製造も難しいそうで、モディファイドラストだけ別ラインで製造されるのだとか。

ヒールにはFoot Balance社のアーコヒールが装着されています。モディファイドラストの多くに採用されている名ヒール。

ヒールの高さも絶妙で、高すぎず低すぎずのベストパフォーマンスを発揮します。消耗部分のゴムは、すり減ったら交換修理が可能。オーソールリペアの際は、自動的にこのヒールが装着されて戻ってきます。クッション性も柔らかすぎず、硬すぎず。重量も重たすぎず、軽すぎず。何年にもわたって培ってきたベストバランスがここに集約されます。(ちなみに片足重量は約560g=size8d)

踝部分の高さの違いも面白い。真後ろから見た時に良くわかります。トップラインの高さが異なっていて、内側と外側でくるぶしの高さが違うので、うまく踝を逃すようにトップラインを設計してあるんです。ちょっとした部分ですが、その効果は絶大。

真横から見るとその高さの違いがよくわかるでしょ。踝の下が靴に当たって痛いという人はほとんどいません。ちょっとした工夫なんだけど、意外とやっている靴メーカーは少ない。やっていたとしてもなんとなく見た目のバランスがチグハグだったり。そこへ行くとオールデンは長年のノウハウの上に完成させたフォルムだから、やっぱり違うと感じられます。

それにしても、どの角度から撮影しても格好いい靴だなぁ。

気持ち良い履き心地

実際に履いてみました。「うおっ、めっちゃ素敵!」 カーフやコードバンでは出せないスウェードならではの優しい履き心地。ライニングはあるもののやはり硬い革とはやや趣の異なるフィーリング。サイズ感はコードバンよりも幾分小ぶりな印象です。これは、素材特性で、製造時に靴から木型を抜き取った際に、コードバンは木型をほぼそのままトレースするのに対して、カーフやスウェードは少し縮むんだそう。へぇ、だからハーフサイズずれることもあるのか。履いてみなくちゃ分からんわけだ。

ドレスやセミドレスにも申し分なく使えて、出番の多そうなツラ構えにワクワクします。

これを履いてどこへ出かけようか。

カスタマイズは可能?

デザイン的なカスタマイズはもちろんできないけれど、シューレースを変えたりするのは簡単です。また、実用性アップにこだわるのならトゥスチールを埋め込んだり、ハーフラバーを装着することで、一気に使いやすい靴に仕上がります。防水スプレーもマストなアイテム。起毛素材は、雨に弱くはないけれど、防水をしておくだけで水弾き能力が一気に高まります。安心して履きたいなら購入直後に防水しましょう。

まとめ & カタログページ

いかがでしたでしょうか。スウェードバージョンのブラックVチップは、当店では初めて作ったけれどとても魅力的な一足になりました。きっと出番も多くなると思います。ぜひコクションに加えいただけたら嬉しいですね!

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