特集マホガニーウエルト No,8コードバン 

別注フルブローグダービー

オールデンの名作「975」ロングウイングチップをベースにした別注モデルです。ウエルトとコバ面に赤みのあるマホガニー染色を施してもらい、カジュアルにも取り入れやすい1足として生まれ変わりました。アッパーレザーはもちろんホーウィン社のシェルコードバンNo,8バーガンディーです。今回もいい仕上がりですよ! コードバンらしい荒さも残しつついい光沢が表現されています。微妙な色のセンスはオールデンに任せましたが、物欲を刺激するアメリカンなテイストを感じる逸品です。『いい靴を履いているぞ!』と靴を見るたびに心の中で呟いてしまいそうな靴です。

名作バリーラストの凄さ

オールデンには、数多くの名作木型が存在しています。中でも登場から歴史が古く世界中に多くのファンが存在する木型こそが、このBARRIE Last(バリーラスト)です。The アメリカン ダービーシューズという言葉がぴったりの無骨で堂々したシルエットを持つ木型。その存在感は、圧倒的ですらあります。しかも見た目だけでなく、履き心地の素晴らしさも特筆ものです。今回は、そんな名作バリーラストを使用したモデルで、デザインそしてフィーリングの両面から物欲を刺激するオールデンとなっています。

マホガニーウエルト&コバ

アッパーと靴底を繋ぎ合わせている革製の帯状パーツをウエルトといいます。このモデルは、リバースウエルトという製法で縫い付けられていて、L字状に加工された革がグルっと周囲囲んでいます。ベースモデルのノーマル975は、このウエルトがアッパーより濃い黒に近い色で塗装されています。それはそれで、一体感があって良いのですが、もうちょっとカジュアルに振ってあげたのがこの別注モデルです。

「ブラウンよりも少し赤みのある色合いがいいでしょ。」

拡大するとこんな感じです。横方向にも縫い糸が走っているのがわかると思います。L字の壁面も縫い付けてあって、堅牢そのもの。これまでウエルトの修理というのはほとんど依頼がなく、あったとしてもよっぽどめちゃくちゃな履き方をしていたお客様くらいでした。

ウエルトはインサイド部分のヒール手前からスタートして、一周して同じところに戻ってきます。下の写真中央あたりの切れ込みみたいになっているところがそれです。この写真のはめっちゃ綺麗な方（笑）。ってか、右足だから綺麗なのかもしれません。オールデンは昔っから左足が下手くそで有名です。利き手の具合?　原因不明ですけど。ご存知ない人やオールデン初心者の人は、ここを見ると「傷が入っていますよ!」って騒ぐこともあるんですが、それ、傷じゃないです（笑）

この部分は、メンテの時に赤みのあるクリームでメンテするといいと思います。特に色の指定はしませんので、お好みで良いんですけど、赤っぽさを出すといい味が楽しめると思います。

シェルコードバンの魅力

古いオールデンカタログ(非売品)を読んでいます。シェルコードバンのことを書いてある章にはこう書かれています。

　──────何世紀にもわたり受け継がれてきた純粋な植物タンニンなめしと手作業による仕上げの手法を用い、現在も本物のシェルコードバンを生産している唯一のタンナーは、まさに希少な芸術品です。なめし工程には6ヶ月を要し、柔らかくてしなやか、しかも耐久性に優れた革ができます。オールデンのクラシックなパターンは、本物のシェルコードバンを使用することで独特の個性が生まれます。オールデンはこの特別なレザーを特別なフットウェアに加工し、仕上げることにおいては、誰もが認めるところです。シェルコードバンを使った靴作りは、昔ながらの靴作りを思い起こさせます。この革の特別な性質はとらえどころがなく、大量生産には適しません。時間が経つにつれ、オールデンのシェルコードバンの靴の艶はさらに増し、磨くたびに深みを増し、革の特別で豊かな個性を存分に発揮します。丈夫で履き心地がよく、見た目も美しい。シェルコードバンは、まさにオールデンのマスターワークスなのです。──────

なるほどねぇ。ワカルワカル（笑）『艶はさらに増し、磨くたびに深みを増し』という一文は、この革の醍醐味をうまく表現しています。世界中には、日本も含めてコードバンレザーを作っているタンナーは少なからずありますが、ホーウィン社が作るシェルコードバンの圧倒的な魅力と魔力には、なかなか敵いません。なんなんでしょうね、この革。すごい。

ソールにもロマンはある

オークなめし革の曲げ加工を施したアウトソールは、オールデン自社工場で品質管理を徹底しています。耐久性に優れた特殊加工を施し、カルナウバワックスで丹念に磨き上げられます。ダブルレザーソールは初期硬い印象があるものの、履き込む度に足に馴染んできます。コルクとミッドソールのクッションの相乗効果は素晴らしく、シングルレザーソールとは違うフィーリングが楽しめます。無数の釘で補強され革を積み上げたヒール。出し縫いと飾り縁。Horween Shell CordvanとALDENの刻印。普段目にすることのない底面にもロマンはあるのです。ぜひ眺めながら一杯お楽しみください。

飯ウマ写真集

飯ウマの写真を撮りました。すでに買って頂いたお客様も、今悩んでいるお客様もご覧ください。あっ「奥様には見られないように!」（笑）

スペック

カタログ