10年ぶりアップデート! 別注Vチップ

私の大好きなオールデンVチップをカスタマイズした別注モデルが登場! 既視感のあるお客様もいることと思います。しかし、これは、全くのNEWモデルなのです。

新旧モデル比較

旧型と最新型を並べてみるとその違いの一端がわかるでしょうか。2014年モデルは、カーフのVチップに肉厚のラバーソールを組み合わせた独創的なスタイリングを与えた最初のVチップでした。この時代では、まだドレスさをしっかり残した顔つきでしたね。

この思いっきりカジュアルなソールに振ったのがとても受けて、多くのファンを獲得した別注モデルとなりました。感覚的には、パラブーツのAVIGNIONのような立ち位置でしょうか。ドレス顔のアッパーにスーパーライトソールというあるいみ異種格闘技的な組み合わせ。

もともとは、海外在住(日本人)のNATORIYAファンのお客様からのリクエストがきっかけでした。日本とまるで異なる汚い路面でも「オールデンを履きたい!」というご要望からスタートしたモデルでした。

旧モデルは、いわゆる現行の54411と同じようなスタイルの顔だったわけです。アイレットは、ブラインド仕様で、内側に隠れて装着されていました。(靴は私物ですが、もう10年たったのか・・・)

そして、今回の新型では、メタルアイレットを装着してもらいました。こうすることで、ソールとのバランスが良く、シューレースもスッスッと動くので、使い勝手も向上しています。平紐を通していてもなんの違和感も感じないどころか、グッドなルッキングです。そして、

この靴を語る上で外すことのできないソール

わたしは、昔ながらに「スーパーライトソール」と呼んでいますが、現在では「スーパークッション」という呼ばれ方をしているソールです。もともとスポーツソールとして登場したもので、ドレスシューズに装着することは想定されていなかったと思います。クロムエクセル6インチブーツで有名な「45960」のようなモデルによく採用されていたソールです。激軽っ! しかも丈夫でした。

また、当時のモデルは、今は存在していないオースティンベンズカーフという牛革を使用していました。比較的雨に強い牛革を求めていた私にとってベストパフォーマンスの革だったのですが、いつしかこの革がなくなってしまい、継続生産を断念せざるを得ませんでした。
そこで、今回のモデルとは別のモデルだったのですが、ホーウィン社のクロムエクセルを使用してプレーントゥを製造したらなかなか良いものが誕生。だったらVチップを復活させようという計画が進行したのです。

そして新型が完成

そして、この度、アップデートされた別注Vチップが晴れて登場。いや〜、待った待った（笑）

パッと見て旧型とはアイレットの違いだけですけれど、革が異なるのでそのエイジング感は、全く違ったものとなることが想像できます。最近のクロムエクセルは、以前にも増して品質が向上してきていますので、靴になってもいい風合いが楽しめるのです。

革靴のエイジングの真髄

エイジングのイメージ的には、旧型を参考にしていただけるでしょう。もう少しオイリーでポタッとした雰囲気になってくると思います。メンテナンスするときは、サフィールのクレム1925がお勧めで、これとブラシがあれば十分だと思います。ガッツリ雨でも履きたいという人は、プラスして防水処理すれば完璧ですね!

こんな感じでガッツリ10年履いても大丈夫。もちろんメンテはしっかり行なっていま・・・せん（笑）すんません! 適当に履いてもご覧の通りです。いやオールデンさすがアメリカ製のタフな靴です。

10年タフに履いているので、もう傷だらけなんですが、その傷すら愛おしい。本革の魅力というのがこういうところでも味わえるのです。傷は、所有者が履いたことでついた人生の記録です。恥ずべきものではありません。傷を気にせずどんどん履いて、でもしっかり磨いてあげていれば、それがその人だけの味となりその人の靴となるのです。

スペック

まとめ

いかがだったでしょうか。久しぶりのラギッドなVチップ。ドレスでもカジュアルでもオールマイティーに使える一足です。今回はあえて触れませんでしたが、最後にちょっとだけ。この靴は、モディファィドラストを使用したVチップです。なかなか作るのが難しいモデルとしても知られています。そんな靴の履き心地を気軽に楽しんで頂ける最高の一足だと思います。

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