酔いしれたいTodiブランデー

トリッペンTodiブランデー誕生

1992年ドイツでtrippenが誕生して、その初期に製造され今でも愛され続けているモデル「Todi」の別注色Brandy(ブランデー)を作りました。これまで定番BOXレザーBlackや別注アスペンRedなど渋めのカラー展開でした、これに加えてパッと気持ちが明るくなるようなカラーはないか? と探したところWAWレザーに「Brandy」というオレンジ色の革を発見。コレクションで新品のブランデー革は見たことがあるのですが、果たしてどういう色に変化するんだろう。その変化を実際にこの目で見たい! という気持ちが抑えられず、この派手な色を発注しました。

入荷したばかりのTodiは、ブランデーというよりもオレンジ色? 柿色?という感じの鮮やかなオレンジでした。斬新な色に「これどう合わせるの?」と言われる始末でしたが、僕には確信がありました。それは、「トリッペンは変化が魅力」であるということ。特に草木染め仕上げのWAWレザーは、履き込む度に革が揉まれ、紫外線やクリーム塗布によってどんどん色が変わる性格だというのは、長年扱ってきて知っていました。この「Brandy」は、産声をあげた直後は「オレンジ」だけれど、きっと深いブランデー色になるだろうという予測のもと、長い色変化の旅路の始まりです。

トリッペンの伝統の履き心地

トリッペンには、いくつかのカテゴリーが存在しています。このTodiは、CLOSED(クローズド)というシリーズです。コンフォータブルなオブリークトゥ形状が特徴で、全体的に丸みのあるボリューム感が可愛いです。このCLOSEDの素晴らしいところは、履き心地。これに尽きると思います。どんな靴とも異なる開放感。指周りが圧迫されることはほとんどなく、1日中気持ちよく過ごすことができます。この形状は、トリッペンが誕生してから一貫して継承されていて、如何に初期設計が秀逸であったかが窺い知れます。

コロンとしたフォルムに愛嬌を感じます。ソールは、ラグ形状のトレッドパターンで「trippen」ソールという名前で呼ばれています。このソールのクッション性、グリップ力も堪能して欲しいです。

履き慣らしなんて全くといっていいほど必要がなく、履いたその日から気持ちよく足に馴染みます。この履き心地にやられてしまうと、僕のように何十年もトリッペン沼から抜け出せなくなるんです。ある意味、知らない方がよかったのかなぁ…。

内装はこうなっている

最高の履き心地を提供してくれるTodiの内装は、このようになっています。上質な牛革でフルレザーライニングされていて、足あたりが気持ち良い空間。広めのシュータンによって、甲周りも気持ち良いホールド感を得られます。

インソール(中敷)は、取り外せるようになっていて、おもて面は革。コルクを整形した中間層。その下はキャンバスで保護してあります。土踏まず部分が盛り上がっていて、踵部分はカップ状に壁がもう分けられているので、足裏がピタっときます。

インソールを抜き取るとミッドソールが見えます。そこに何やら落書きがありますが、落書きのように見えて実は手書きのサイズです。これは、「42」と書いてあってインソールを入れ間違えないようにしているものと思います。この雑さ加減、めっちゃ好き。

そして、これは僕がYENというモデルで約25年ほど使用しているインソール。

ご覧のように足裏の形状をトレースするように凹んでいるのが分かりますよね。ここまでインソールが仕上がってくれれば、それはもう自分だけのトリッペンの完成です。インソールが消耗し過ぎてしまった時や汚れが酷くなったりしたら新品交換することも可能です。この秀逸なインソールもトリッペンの肝となっている部分なので、一度取り外してご覧頂ければなぁと思います。(たまに掃除機でクリーニングしてあげて! でもクリームは塗らないこと!)

脱ぎ履きが楽

Todiは、ご覧のようにガッツリ靴紐のあるデザインです。パっと見た感じ、脱ぎ履きが面倒そう…と思う人も多いでしょう。ところが、この靴は、意外にもイージーな脱ぎ履きで知られます。その理由の一つが、アイレット。この大きめの金属アイレット(鳩目ともいう)に少し太めのシューレースを通してあり、靴紐がスルスルと簡単に動いてくれます。(ブランデーの靴紐はロウビキタイプ)

実は最近まで知らなかったのですが、トリッペンにアイレットの付いているモデルは、本当に少ないそうで、このTodiを含めて3モデルくらいしかないそうです(マジっすか!)。すべてを確認したわけではないので、もう少しあるのではと思うのですが、確かに今まで見たことありませんでした! これは希少モデルだ!

ソールも秀逸

ソール(靴底・本底)は、コンパウンドが比較的柔らかなラバーでできています。ビブラムソールのようなラグパターンを模したデザインで、周囲に放射状に広がるサイプがあります。サイプ表面は少し凹凸のあるシュリンク風の仕上げ。センターには7つの十字星が配置されます。土踏まずから踵にかけては、立体のtrippenロゴを配置。これによってバランス感覚に優れた高グリップ性能を発揮してくれます。

ソールの周囲には、太めの糸でステッチがオールアラウンド状態で走っています。トリッペン独自のダブルステッチダウン製法により堅牢に装着されています。内側のステッチでアッパーとミッドソールを縫い付けてあり、外側のステッチで本底を縫い付けるというシンプルな構造。そのため、故障リスクが極めて低い設計です。しかも、ソール交換が容易。ソールは消耗部材なので、何年かに一度は交換する必要がありますが、この設計によって修理を可能とすることで、購入後も安心して長く愛用できるのです。(ソールパターンを変更することも可能な場合があります)

WAWレザーのエイジング

WAWレザーは、植物タンニンでなめされた子牛革です。染色された後ワックス仕上げされます。軽いプルアップ効果もあります。柔らかく仕上げるためタンブル加工で仕上げています。色と質感はタンブル加工の結果として変化する場合があり、シボ感の個体差や、革色によってはソバカスのような斑点が入ることもあります。バイレザーカラーの場合は、2回染色されることで異なる色のエッジが表現されます。日光にさらされると色が濃くなる性質が特徴です。使用するほど柔らかくなり、伸びることもあります。

WAWレザーハ、お手入れも比較的イージーです。履いたらメンテしなきゃ! なんて思う必要はありません。全くしないというわけにもいきませんが、たまに思いついたらケアする程度でも十分です。草木染めされた革の自然な風合い変化と色変化を楽しめます。

これは、まだ購入して2週間しか経っていませんので、ほとんど変化はみられませんけれど、気持ち濃い色になってきました。これが徐々にこうなるのかもしれません(笑) 

ほんとうにこうなってくれたら酔えますね!  今日はブランデーを買って帰ろうと思います!

Todi ブランデー写真

Todiブランデーデータ

インチサイズインソールサイズ
4026.026.5
4126.527.0
4227.027.5
4327.528.3
4428.028.7
4528.529.5
4629.030.0
4729.530.5
Closedの標準的なサイズレンジとインソールの実寸

サイズ感

(スタッフ感想)

長=爪先ゆとりあり
幅=ゆったり
甲=普通
踵=普通

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ゆったりとした木型。履き口の抑えは低めですが、次第に馴染んで来ます。甲がきつ過ぎる場合は、Lowインソールをお求めください。逆に甲が緩い場合は、市販の中敷をtrippenインソールの下にサンドイッチすることで改善します。

主な素材

 WAW (牛革)

内装素材

 総本革張り

底材材質

 trippenラバーソール(ブラック)

インソール(中敷)

 コルク (ノーマル厚)  (Low薄いタイプに変更可能)

靴紐

 コットン丸

アイレット

 外ハトメ×6

計測サンプル

 size41

底厚(コバ含)

 前=約23mm
 後=約30mm

履口高さ

 カカト=約6.3cm
 外くるぶし=約4.7cm
 内くるぶし=約5cm

重量or容量

 約580g

製造国

 ドイツ

備考

革面に黒い斑点が入る場合がありますが、タンブルなめし加工の際に入るものです。シボが入っているときと入っていないときがありますが、これもタンブル加工特有のものです。いずれも天然革の風合いで、不良ではありません。安心してお使いいただけます。

Todiのカタログ

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