
このたび、当店別注でオールデンら依頼したチャッカブーツ12751Sの未入荷分が全て入荷しました。これを記念して、特集ページを開設!。「日常でオールデンを存分に味わう為の取説」をテーマに『ALDEN 12751S BARRIE Last Chukka Boots Black Chromexcel Recrag Rubber Sole』をご紹介して参ります。どうぞ、お酒でも嗜みながら毒されていってください(笑)
12751Sは、端正なチャッカブーツシルエットに、無骨なリクラグラバーソールを組み合わせた、当店だけのスペシャルモデルです。雨や雪の多い日本海側にある当店のお客様に好まれるブーツ、というか自分自身で使いやすいチャッカブーツってこれだよなぁと前から考えていたプロダクトです。
スーツにもデニムにも自然に馴染みながら、天候や路面を選ばずタフに履き倒せる、頼れる相棒として企画しました!
パート1:12751S 当店別注チャッカブーツの概要

ベースとなるラストは、オールデンを代表する「BARRIEラスト」。ほどよくボリュームを持ちながらも、つま先にかけてのラインはあくまで上品です。 カジュアルなスタイルはもちろん、ツイードやフランネルのジャケットに合わせても浮かない、万能なバランスに仕上がっています。
アッパーには、オールデンらしい色気とタフさを兼ね備えたブラック・クロムエクセルレザーを採用。 履き込むほどにオイルが浮き上がり、陰影のある皺と艶が生まれていきます。

足元を支えるのは、オールデンオリジナルの「リクラグラバーソール」。ゴム底ならではの高いグリップ力とクッション性を備えつつ、ブーツ全体のボリューム感を損なわない厚みとプロポーションが魅力です。そしてライトウエイト!
雨の多い季節や、雪がうっすら残る路面でも安心して履ける仕様。 シティユースから週末のアウトドアまで、フィールドを選ばず活躍してくれます。

ミッドソールとアッパーをぐるりと繋ぐのは、いわゆる「立ちコバ」とも呼ばれるリバースウェルト仕様。 厚みのあるL字型ウェルトを外側に立ち上げることで、堅牢性と防水性を高める昔ながらの意匠が生かされています。
使い込むほどにコバまわりに風格が増し、クロムエクセルの表情とともに、経年変化の楽しみが深まっていきます。

ウイングレットにはシンプルな2アイレットを装備。羽根部分の開きがよく、足入れと紐締めがスムーズに行えます。 朝の忙しい時間帯や、出先での脱ぎ履きが多い日にもストレスを感じにくい設計です。
内装はしなやかなレザーライニングで足当たりも柔らかく、長時間の歩行でも快適なフィット感をキープしてくれます。

トゥにかけては、クロムエクセルらしい柔らかな丸みと、うっすらと浮かぶオイルの艶が印象的です。 履き始めはマットな表情ですが、ブラッシングとオイルアップを繰り返すうちに、黒の奥からグレーが混ざるような深いニュアンスが現れてきます。
小傷や擦れも「味」として重なっていくのがこのレザーの魅力。 後のパート3では、このクロムエクセルレザーと気楽に付き合うコツもご紹介していきます。
モデル概要(12751S NATORIYA別注)
- ブランド:ALDEN(オールデン)
- モデル:12751S BARRIE Last Chukka Boots
- ラスト:BARRIE ラスト
- アッパー:Black Chromexcel Leather
- ソール:リクラグラバー(グッドイヤーウェルト製法)
- 仕様:リバースウェルト(立ちコバ)、2アイレット、フルレザーライニング
- 別注ポイント:ブラッククロムエクセル × リクラグラバーソールの全天候型チャッカ仕様
パート2:おすすめのメンテナンス方法と、持っていて損のない一品
クロムエクセルレザーは、日々のブラッシングだけでも美しく育つ懐の深い素材です。 しかし、見落とされがちな「コバ周り」や「ゴムソール側面」のケアをひとつ加えるだけで、清潔感と耐久性がぐんと違ってきます。
そこで当店が強くおすすめするのが、気軽に使える『HUNTER ブーツシャインスポンジ』です。

■ HUNTERブーツシャインスポンジとは?
イギリス発のラバーブーツブランド「HUNTER」が作る、メンテナンス初心者でも扱いやすい万能スポンジ。 表面に軽く滑らせるだけで、ゴムソールやコバ周りの白いくすみ・汚れを落とし、自然な艶を取り戻します。

スポンジやラバーソールのコバ面の汚れ除去と、劣化防止に効果を発揮する便利アイテム。
- ラバーソールの白化・くすみを素早く消す
- コバのゴム部分の黒さ・締まりが復活
- オイルやクリームを使わず、手軽にケアできる
- 防水性の高いラバー部分の劣化を遅らせる
- 持ち運びしやすいコンパクトサイズ
- 注意事項 : 靴底面にはお使い頂けません
■ 使い方は、とても簡単です
- 靴のホコリをブラシで軽く払う
- HUNTERスポンジを、コバ・ソール側面に軽く滑らせる
- そのまま自然乾燥でOK(拭き取り不要)
特にリクラグソールは、コバ周りが白く乾いたように見えることがあります。 そんな時にひと塗りするだけで、引き締まった黒さが戻り、靴全体が生き生きした表情へと変わります。
美しい革靴は、ソールの美しさから。 『HUNTER ブーツシャインスポンジ』は、まさに“持っていて損なし”の定番メンテナンスアイテムです。
パート3:傷すらも勲章。クロムエクセルレザーと気楽に付き合うということ

写真は、同じブラック・クロムエクセルをまとった兄弟モデル「N8407」。皺の一本一本、トゥに宿る艶や小傷が、 日々の生活を共にしてきた時間の長さを物語っています。
12751Sチャッカブーツも、履き続ければいずれこんな表情に育っていきます。 そう考えると、新品の今この瞬間から、すでにエイジング物語は始まっていると言えるでしょう。

ヒールカウンターに刻まれた皺や凹みは、乱暴に扱った痕跡ではなく「長年履き続けてきた証拠」。 革が持ち主の足と歩き方に合わせて少しずつ変形し、唯一無二のフィット感へと馴染んだ結果です。

かかと周りに残る擦り傷も、この靴にとっては「勲章」のようなもの。 すべてを消そうとするのではなく、必要なケアをしながら受け入れていくことで、 クロムエクセルならではの深みと説得力のある表情が生まれます。ちなみに私のN8407です(笑)。キャスター付き椅子に座って作業しているため、椅子のタイヤが靴にヒットしまくっている為にこのようなストーリーマークが刻まれます。日頃の頑張りの証ですね!
■ クロムエクセルと「気楽に」付き合うための3か条
- 毎日のブラッシングでホコリを払う(数十秒でOK)
- 雨に濡れたら、形を整えて風通しの良いところで陰干しする
- 乾燥が気になってきたら、ごく少量のオイルやクリームを薄く塗る
大切なのは、「完璧主義になり過ぎないこと」です。 小傷が入るたびに慌てて磨き込むよりも、定期的な軽いケアを続けるほうが、革にも足にも優しく、結果として長持ちします。

こちらはまだ履き始める前の12751S。シワのないプレーンな表情は、これから刻まれていく日常を待っているキャンバスのようなもの。 一歩ずつ履き重ねていくことで、先ほどの兄弟モデルのような奥行きある雰囲気へと育っていきます。

履き始めは、トゥの丸みやレザーの張りにフレッシュさがあります。 ここに自分だけの皺が入り、艶が増していく過程を楽しむことこそ、クロムエクセルの醍醐味と言えるでしょう。

「傷が付いたらどうしよう」と身構えるより、「今日はどんな跡が残るだろう」と前向きに受け止めてみる。 そんな気持ちで付き合えると、クロムエクセルレザーはきっと、日常の相棒として頼もしい存在になってくれます。
丁寧にケアしながらも、多少の傷や皺には目をつむる。 そのくらいの距離感で履き続けることが、クロムエクセルレザーと長く付き合ういちばんのコツです。
パート4:『皺入れの儀式』という悦び
新しい革靴に最初の一歩を刻む「皺入れ」。 やらなくても困らない、けれど心がどうしようもなく求めてしまう――そんな不思議な儀式です。
革が折れ、足に馴染み、歩き方がそのまま表情となって刻まれていく。 この瞬間から、靴は“自分の靴”になっていきます。


革を、足の動きに沿ってグイッと曲げていく。 初々しい張りのあるレザーが、少しずつ自分だけの形へと馴染んでゆく瞬間です。

まだ、初々しい艶と張り。 “ここからどんな皺が生まれるんだろう”と胸が高鳴る、大切なスタートラインです。

そして実際に歩き、体重をのせ、自然な皺を刻んでいく――。 この工程が、革靴を自分の相棒へと変えていきます。

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