1749年創業。イギリスの老舗〈ABBEYHORN〉と、NATORIYAの刻印コラボが実現しました。

ABBEYHORN
ABBEYHORN

イギリスにある超老舗の靴べらメーカーをご存じでしょうか?

1749年創業の〈ABBEYHORN(アビーホーン)〉。この年代、日本ではまだ江戸時代。町にはちょんまげ姿の人々が行き交っていた頃に誕生したブランドです。

当店でも取り扱いの歴史は長く、何度かお休みを挟みつつも、長年にわたり継続してきました。しかし、コロナ禍以降、日本側の事情で一時取り扱いが困難に。再開したい気持ちはありながらも、踏み切れずにいたのです。


◆ ついに直輸入での再開を決意

それでも〈ABBEYHORN〉への想いは断ちがたく、ついにイギリスからの直輸入を決断。交渉を重ね、このたび数年ぶりに取り扱いが再開できることとなりました!(嬉しい!)

ただ、仕入れるだけでは面白くない。どうせなら…ということで、オリジナル刻印の制作を依頼することに。


◆ コラボ刻印デザインへの挑戦

まずはこちらが、アビーホーン社の既存ロゴです。

このロゴをベースに、当店〈NATORIYA〉とのコラボロゴをいくつか試作。最終的に2案に絞り、試作として私物に貼って確認しました。

そして、最終案がこちら。

以下はシミュレーション画像。あんまり目立たないで、さりげなく入っていて、マークっぽくなっていた方がいいよね! ということで、我々が読んでいる通称「サークル」(向かって左)に決定。

これは、ロングホーンに入れた場合のシミュレーションです。

これらの画像をアビーホーン社に送ったところ、「一部文字が小さすぎて彫刻が難しいかもしれない」との指摘が。たしかに…。

その後、担当のトレイシーさんから「サンプルを作ってみましたよ」と連絡が。

なるほど、Shoes Salonの文字がつぶれてしまっています(泣) さらにサイドの装飾ラインや「Made in England」も不鮮明に。


◆ 職人とのやりとり。そして、ついに完成

彫刻職人Sebさんと相談を重ねながら、文字サイズや装飾を見直し、最終的に完成したのがこちらのロゴ。

再びサンプルを作成していただき、今度は完璧! Tracyさんからも「とても素敵ね!」と太鼓判をいただきました。下の画像が感動のプロトタイプ。

初めての試みでしたが、驚くほど丁寧な対応に心から感動。やはり、歴史ある企業は一味違います。


◆ ABBEYHORN社の歴史と使用される素材

ここで、少しAbbeyhornの歴史と使用素材について触れておきましょう。

Abbeyhornは1749年、イングランド・ウスターシャー州ビュードリーにて、ハンファーソン一家によって創業されました。1912年には工房をグロスターへと移し、さらに20年後には現在の拠点であるイングランド・湖水地方近くのケンダルへと移転しました。265年を超える歴史の中で、Abbeyhornは世界最高峰の天然角製品の製造者として名声を築いてきました。

熟練の技と厳選された素材によって作られるAbbeyhornの製品は、洗練と贅沢さを放ちながら、実用性と美しさを兼ね備えています。使用される牛の角は、西アフリカに生息するアンコーレ種の牛から採取されており、この種は今なお長い角を持つ数少ない亜種の一つです。また、スコットランド産の天然の鹿角、牛骨、水牛の角なども製品に用いられています。すべての素材は(自然に落ちる鹿角を除いて)食肉産業の副産物として、可能な限り倫理的な方法で調達されています。

◆ 完全オリジナルのABBEYHORNが入荷

こうして、当店に刻印入りの〈NATORIYA × ABBEYHORN〉が正式に入荷となりました!

今回入荷したのは以下の3サイズ:

  • 4インチ (約10cm)
  • 16インチ(約40cm)
  • 20インチ(約50cm)※プレミアムモデル
  • 24インチ(約60cm)※プレミアムモデル

すべてにコラボレーションロゴの刻印が施され、黒・金・白のいずれかの墨入れがされております。

さらに靴べら自体も完全ハンドメイドのワンオフ。一本一本が異なる表情を持ち、同じものは存在しません。

◆ STAG HANDLE (鹿の角のハンドル)

鹿の角から削り出したハンドルを水牛のシューホーンに装着したモデルも人気です。羊牧が盛んなイギリスならではの製品。真鍮のピン2本で固定されています。また、エンド部分に水牛のキャップを装着してあるのも特徴です。

◆ STAG CROWN HANDLE (鹿の角のクラウンハンドル)

このモデルの特徴は、クラウン=王冠の名にふさわしい堂々たるハンドル部分。鹿の角の「根元」にあたる特有の分岐構造を活かした造形で、他のスタッグモデルにはない荒々しくも威厳あるシルエットを形成しています。そのひとつひとつが自然が生み出した造形美であり、同じ形状のものは二度と現れません。熟練職人の手により、自然の骨格をそのまま生かすように磨き込まれたその姿は、まさに機能美と野生美の融合です。


◆ FLAT WITH THONG – 4 (携帯シューホーン)

最も人気の携帯型シューホーン。通称フラット4。唯一無二を常に携帯できる喜びを感じていただけます。ところが、1人で5個も購入されたお客様もいて、その魅力は計り知れません。ご購入の際に「すぐ無くすから。会社用、車用、自宅用、それに鞄とショルダーバッグ用に」と自分自身を肯定するような『言い訳』が欲しかったんでしょうね(笑)そのくらい魅力的に思ってくれて嬉しいです。(長短合わせて2本ないし3本というお客様は実は普通にいます)

◆ 長く使う楽しみ

当店で何十年と使い込んできた〈ABBEYHORN〉も、実はロゴなしタイプ。 今後は、ロゴ入りモデルも併せて展示し、ご試用いただけるようにしてまいります。

また、今回WEBにアップしたものは、TIP ENDと呼ばれている角(つの)の先端から削り出したものです。今後は鹿の角をハンドル部分に使用した「STAG HANDLE」や「STAG CROWN HANDLE」という頭蓋骨部分から生えていた角をハンドルにしたもの。携帯できる「FLAT WITH THONG」なども展開して参ります。お楽しみに!

ABBEYHORNは、非常に丈夫で、熱にも強く、まず折れることもなく、長く付き合える道具として、これ以上ない魅力を備えた逸品です。靴好きなら持っていて損はありませんし、NATORIYAファンは、ぜひ所有して欲しい逸品靴ベラだと自負しています。まずは店頭でご覧になってみてください。その出来栄えに感動しますよ!

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