17世紀後半に開発されたオクゾニアンと呼ばれるレースアップブーツを祖に持ち、後に英国オックスフォード大学の連中が考案した、いわゆるオックスフォードに辿り着くまでの間にデザインされていたであろうショート丈タイプのブーツがチャッカーブーツです。当時ブーツは、上流階級の人々のための靴であり兵士の戦闘靴であった時代を経て今日に至ります。ここまで思慮深い(すなわちエレガント)なブーツがデザインされるようになったのは、誠に好ましいことであり世界が平和になった象徴であるとも言えます。中でもロブが作り出した8000番ラストのROMSEYは、実にエレガントなスタイリングを持つ木型を有しており無駄な装飾を一切省いたプレーントゥと若干の遊びを感じさせる小ぶりのスクエアトゥが、英国紳士を連想させるデザインとなっています。
外羽根の優雅な扇状のラインは、そのままトップラインへと連なります。サイドには同じアールを逆さまにしたステッチラインが走る素敵なブーツに仕上っています。実は、このサイドステッチには機能的な秘密があります。丁度このステッチを境として内装に使われているライニングを排除してありアンクル部分に当るところをアンライニング化してチャッカーブーツの泣きどころとも言われる痛い箇所を無くしているのです。今まで有りそうで無かったエポックメイキングなブーツですね。
8000番ラストは、7000番と双璧をなすロングノーズシルエットの特徴が活かされた木型です。よりビスポークを意識したシェイプを得意とするのが7000番ラストならば、実用性に特化したロングノーズモデルがこの8000番でしょう。シングルソールを美しくみせるアッパーの造形は見事です。英国的靴作りにアイデアと技術で新しい伝統を作り出す。この柔軟なブランドアイデンティティーは、近年エルメス資本が投入されてから最も顕著に表れているようで、世界最高のレディーメイドブーツメーカーとしての地位を確立すべく過去の栄光に囚われる事のないデザイン展開・最高素材の常時暢達・技術革新を経て現代のブーツシーンを改革しています。
実用性を重視したブーツは、やはり男の為の道具であり武器でもあります。今でこそ女性がこぞって履いているロングブーツでさえも当時は将軍しか履く事が許されなかったものであり、現代の靴デザインの9割方が男の為の靴でした。中でもブーツの歴史が最も古く、かのワーテルローの闘い以降破竹の勢いで勝利を収めたウェリトン公が指示して作らせたウェリトンブーツは、現代ロングブーツの元祖として知られています。1800年代初頭の出来事です。あれから200年以上が経ち、血なまぐさい戦場から解き放たれたブーツ達の行く末はご存知の通りです。ファッションに行くブーツ、フォーマルに行くブーツ。様々な様式のブーツが開発されて来ましたが、全ては英国で作られたブーツが元祖であり、その英国で作られるブーツの格式を味わえるのは、ジョンロブだから許される魅力と言えるのではないでしょうか。
●同型モデル
同型モデルと比較する
サイズ換算表 (●=在庫)
サイズ |
センチ |
5.5E |
24.0 |
6.0E |
24.5 |
6.5E |
25.0 |
7.0E |
25.5 |
7.5E |
26.0 |
8.0E |
26.5● |
8.5E |
27.0 |
9.0E |
27.5 |
●サイズ感 長さ=普通 | 幅=普通 | 甲=普通
●コメント
●主な素材 ブラックカーフ
●底材材質 レザーソール(シングル)
●底厚(コバ含) 前部 約8.5mm厚 | 後部約20mm厚
●片足重量 約506g | サンプルsize8.0E
●履き口高さ 後ろ=約10.8 | 外=約11 | 内=約11
(単位=cm)
※インソール形状により計測誤差が生じることがあります。参考数値として下さい。
●内装素材 レザーライニング(踝部分のみアンライニング)
●中敷 レザー
●アイレット 2穴ヒドュンアイレット
●靴紐 綿丸紐
●製造国 イギリス
●備考